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追放者。 [沖縄の大っきな輪。]

男はついに楽園を追われる。
悩みや苦しみのない、幸福に満ちた楽園の肯定的で調和的な秩序を乱した罪で。

アダムとイブを唆した蛇か、いや唆されたアダムとイブか。
どちらにしても間も無く、男は楽園を追われることになる。

「ふん、追放されたんじゃねぇ。俺が見切りをつけたんだ。」
そう嘯く男の声が聞こえる。



実際その男にとって、楽園楽園たりえなかった。
そこは楽園とは名ばかりで、人を堕落させる、ぬるま湯のようなところだった。

こんな所に居ては風邪をひいてしまう。
そう思いお湯の温度を上げようと試みた結果、ぬるま湯に慣れきった自堕落な人々の反感を買い、逆に返り討ちに遭い敗れ去ってしまったという訳だ。


直ぐにでも、ということだったが、なんとか追放までに猶予期間ができた。
それまでに心の準備を整え、身支度を整える。

楽園の外に出れば、さらなる苦しみや悩み、不条理が待ち受けている。
だが、そこには希望があるのだ。

楽園に未練がないといえば嘘になる。
しかし希望のもとに集まった新たな仲間たちと供に歩んでいこう。

男は、そう思いを新たにしたのだった。




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