片隅のギター。

なんてことだ！！


いつも通り起きて、いつも通りバスに乗って、いつも通り出勤したんだけど、実は今日、僕は休みでした。
昨日も休みだったんだけど、今日も休み。


あれ？ってことはあれか？
２連休ってこと！！？



２連休だということを、２日目の昼過ぎの時点で気がついた(思い出した？)僕は今愕然としております。





はぁ、今日は何をしよう？









何も思い付かないな。



急に目の前に現れた余暇。
やったー、ラッキー！じゃああれしようこれしよう！！なんて切り替えられもせず.......

なんていうか突然世の中から切り離されてしまった、自分は必要のない人間になってしまったような感覚。


仕事をする以外に特にさしあたってすることがないのだと気づかされた瞬間、何とも惨めな気持ちになる。






仕事のことは考えない日はないくらいだけど、自分の人生、将来に関しては考えない日の方が多い。
改めて自分のプライベート、オフの時間を蔑ろにしているんだなと実感した。


大人になるってこういうことなのだろうか、悪い意味で。






趣味がない。

いや、ない事もないな。
趣味と言ってしまっていいのかとは思うけど。






沖縄に来てからというもの、ギターには全くと言っていいほど触れていない。

別にそういう時間がないわけじゃないんだけど、なんでかな。


歌は時折口ずさむ程度で、ギターを弾こうとか、ましてや曲を作ろうなんて気が湧いてこない。
2年前までは確かにあったあの気持ちが、最近どこを探しても見当たらない。



30歳を目前にして、心にぽっかりと穴が空いてしまって、それを埋めるものはもう、どうやらギターや歌ではないみたいだ。





実はそこまで歌を歌うことも、ギターを弾くことも、あまり好きではなかったのかもな。



歌うことは大好きな気がしていたけど、実のところ歌を歌うことによって「上手いね」って褒められることが嬉しかっただけなんだなきっと。


中学生の時、部活も勉強も上手く行かず、その他に何も自慢できるものがなかった僕に突然与えられた「歌が上手い人」という称号。

歌っている時だけみんなに見てもられる。認めてもらえる。

それが嬉しかった。

でも世の中を見渡せば、歌が上手い人なんて、僕程度のレベルであればザラにいる。


じゃあ内容で勝負しよう。
文系男子なので、作詞は楽しかった。ただ作曲に関してはど素人。
まず楽器を覚えなきゃ、で手っ取り早かったのがギター。
必要だから始めたギター。

独学だったから、上手く行かなくなると辞めて、しばらくしたらまた再開しての繰り返し。
正直今でもあまり上達しているとは言えない。


作詞に関しても、それを後押ししたのは、普段のコミュニケーション能力の低さだ。

人と話すのが苦手だったから、本を読んだり、映画を見たりして時間を潰して逃げていた。
そうやって人と話さないから、僕の中には言葉のストックがたくさんあった。普通なら口に出してそのまま空気に溶かす程度の何てことのない想いに至るまで僕の中にはたくさん溜まっていた。



でも今はどうだろう。
昔と違って、僕は言葉を内にため込まない人間になった。

きっかけは北海道に行ったことだろう。
沖縄に来たことももちろん影響しているだろう。

自分の知らない、未知の世界に飛び込むことで僕自身もいくらか開放的になった。
言いたい事も比較的はっきりと面と向かって言えるようになったし、昔の自分よりは明らかに社交的になった。
普通に考えれば「良い」変化の様な気もするけど、芸術家としての(と言うとかなり自惚れだけど)僕はその時点で死んでしまったように感じる。



持論だが、芸術っていうのはある意味、恵まれない環境から生まれるという側面があると思う。
抑圧の中で芽生えた感情から生まれるものなんだと思う。

自分の内にあるモノを、通常の手段でうまく表現できないからこそ「絵」や「音」やその他何らかの方法で表現する。
それを綺麗に美化したものを「芸術」と呼ぶんだと思う。



僕もコミュニケーションが不自由な心の障害者だったからこそ、作詞や歌という手段に逃れていたけれど、多分もうその必要がなくなってきたのかもしれない。










あぁ、なんかこうやって言ってしまうと元も子もないというか、シラケてしまうな。


なんとなくさ、忙しいとかそんな暇がないとか何かと理由をつけて無意識にギターに触らないようにしていたのは、こういうことを実感してしまうのが怖かったからではないのか。


じゃあこの先、僕は何のために生きるのだろう。






ていうかさ、この日記だって何かの言い訳のために書いているんだろうな。
以前も同じような日記を書いたような気もするし、成長してないな。
つくづく僕って人間は.....